障害者

今回の文章では「障害者」「障碍者」「障がい者」と使い分けますが、すべて同じ意味だと思ってください。

特別支援学校を卒業後の就職先は、公務員、一般企業と特例子会社などがあります。

公務員になりたい場合は、希望する自治体や希望する職種の公務員試験を受験します。インターネットでそれぞれのホームページを見るようにしてください。

次に一般企業と特例子会社についてです。

一般企業には、障がい者雇用対象者として就職します。一般企業に雇用されている障害者の数はごく少数です。また。同じ会社に毎年採用があるとは限りません。あくまでも障害者雇用率も考慮した上で採用計画を会社側も考えていくのです。

特例子会社とは、一般企業が障碍者を採用するために作った子会社です。雇用されている大多数が障害者です。

特定子会社の例としては、日本パーソナルセンター(事務補助・運搬など)、ワールドビジネスサポート(清掃・事務補助・物流・食堂調理補助など)、SMBCグリーンサービス(書類の電子化・事務補助など)、エスコアハーツ(清掃・事務補助・製造など)、SRIウィズ(清掃・植栽剪定・事務補助・食堂調理補助など)、トーホーウィング(清掃・データ入力・郵便物の仕分けなど)、ナリスコスメティックフロンティア(化粧品・栄養補助食品製造など)、川重ハートフルサービス(清掃など)、新明和ハートフル(書類の電子化・印刷・事務補助など)、ことぶきビジネスサポート(事務補助など)があります。

そして、ここからが大切ですよ。

特別支援学校では、在学生には就職するためには以下の1~7の条件に少しでも近づけていく努力が必要だと指導しています。

1.就労意欲:「働きたい」という強い気持ち。誰も見ていなくても1人で仕事に取り組めること。

2.働くための体力:5~8時間の作業に耐えうる体力をつけましょう。

3.継続力:1日5~8時間の仕事を1年間コンスタントに続けることができるようになりましょう。

4.対人関係力:指示されたことができる。あいさつ・返事・質問・報告ができる。周りの人に対して、素直に対応するようにしましょう。

5.社会人になるための生活習慣:規則正しい生活ができる。食事のマナーが守れる。清潔にできる。更衣が手早くできる。トイレが利用できるようにしましょう。

6.職場への通勤力:仕事初めの時間が守れる(遅刻をしない)。交通機関が利用できる。交通ルールが守れる。電話が利用できる(急な連絡等)ようにしましょう。

7.その他の適応力:障害が受容できている(得意なことと苦手なこと、支援を必要とすること等)体調の不調を訴えられるようにしましょう。

以上の7点は会社側が障害者採用に関して求めていることなのです。

正直なところ、障がい者採用に関しては、一般企業は即戦力を求めているところは少ないと思われます。実際、私自身、

http://tkgb.jp/sr/syuwa-touzen-natural.htmlに紹介されているように障害者支援を行い、実際に障害者が働いている現場の支援に行ったり役所に同行したり、あるいは役所の窓口側の人間として対応したりという毎日を過ごしています。

また、会社の採用面接で採用側で求職者の面談をしたりすることもあります。

障がい者雇用をする会社側としては、障がい者雇用率を守るために採用するので「即戦力としては考えていない」というところも多いのです。

民間企業の法定雇用率は2.2%です。 従業員を45.5人以上雇用している企業は、障害者を1人以上雇用しなければなりません。 雇用義務を履行しない事業主に対しては、ハローワークから 行政指導を行います。だから、それぞれの会社は使用会社雇用率を守ろうとしているのです。

ちなみに、当ページで「会社」と「企業」は同じ意味で使っています。

今回の説明内容のまとめとしては、障がい者雇用を希望する人は、上記の1~7のポイントが少しでも多くできている人が採用される可能性が高くなると思われます。

ちなみに、当ページをご覧の方で「特別支援学校」をご存知ない方のために以下の解説をつけて当ページの説明は終わります。

特別支援学校(とくべつしえんがっこう)とは、障がい者等が「幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準じた教育を受けること」と「学習上または生活上の困難を克服し自立が図られること」を目的とした日本の学校である。